国際共同第Ⅱ相試験:NAVIGATE試験における有効性
本剤は一部承認外の効能又は効果、用法及び用量を含む臨床成績に基づいて評価され、承認されました。本試験には一部承認外の用法及び用量の患者が含まれますが、承認時評価資料のため掲載しています。
NAVIGATE試験における有効性
奏効率[主要評価項目、中間解析(独立評価判定)]
- 有効性解析集団116例中、独立評価判定が行われた89例*1におけるRECIST Ver.1.1に基づく奏効率は65.2%(58/89例)(80%CI:57.9~71.9)でした。
- コホート別解析における癌腫別の奏効例数は、非小細胞肺癌が7/9例、甲状腺癌が13/19例、肉腫が15/19例、結腸直腸癌が3/8例、唾液腺癌が14/16例、胆道癌が0/2例、中枢神経系原発腫瘍が1/7例*2、固形癌*3が6/14例でした。
*1:NTRK融合遺伝子が検出された検査機関のCLIA認証取得の有無が未確認であったその他(コホート9)の2例(甲状腺癌及び膵癌)を含む。また、中枢神経系原発腫瘍(コホート7)は含まない
*2:RANOに基づく治験責任医師判定
*3:他の癌腫(コホート8)
奏効率
n=89 | |
---|---|
最良総合効果 CR* PR SD PD 評価不能 |
15(16.9%) 43(48.3%) 15(16.9%) 11(12.4%) 5(5.6%) |
奏効率 [80%CI] |
58(65.2%) [57.9~71.9%] |
RECIST Ver.1.1に基づく判定
*:CRの15例中1例は外科的処置を受け病理学的CRが確認された
癌腫別の奏効率(コホート別解析)
癌腫 | 奏効例数/評価可能例数 | 奏効率(80%CI) |
---|---|---|
非小細胞肺癌 | 7/9 | ― |
甲状腺癌 | 13/19 | 68.4%(51.1~82.5) |
肉腫 | 15/19 | 78.9%(62.2~90.5) |
結腸直腸癌 | 3/8 | ― |
唾液腺癌 | 14/16 | 87.5%(70.0~96.6) |
胆道癌 | 0/2 | ― |
中枢神経系原発腫瘍 | 1/7*1 | ― |
固形癌*2 | 6/14 | 42.9%(24.3~63.1) |
RECIST Ver.1.1に基づく判定
*1:登録患者数が少数であったため、CIは表示していない
*1:RANOに基づく治験責任医師判定
*2:他の癌腫(コホート8)
病変サイズの最大変化率のWaterfallプロット*
- 癌腫に関係なく、臓器横断的な抗腫瘍効果が認められました。
副次評価項目[中間解析]
奏効期間[副次評価項目、中間解析(独立評価判定)]
- 独立評価判定が行われた89例*中、奏効が認められた58例における奏効期間の中央値は27.6ヵ月(95%CI:21.6~推定不能)でした。
RECIST Ver.1.1に基づく判定
*:NTRK 融合遺伝子が検出された検査機関のCLIA認証取得の有無が未確認であったその他(コホート9)の2例(甲状腺癌及び膵癌)を含む。また、中枢神経系原発腫瘍(コホート7)は含まない
無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目、中間解析(治験責任医師判定)]
全生存期間(OS)[副次評価項目、中間解析]
NAVIGATE試験の試験デザイン
試験方法(抜粋)
目的: | 12歳以上のNTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌患者を対象に、ヴァイトラックビの有効性及び安全性を評価する。 |
試験デザイン: | 多施設共同、非盲検、非対照、第Ⅱ相試験(バスケット試験) |
対象: | 12歳以上のNTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌患者116例 |
投与方法: | 1サイクル28日間としてヴァイトラックビ100mg(カプセル剤又は液剤)を1日2回経口投与し、病勢進行、許容できない毒性の発現、患者による同意撤回又は死亡するまで投与を継続した。 |
評価項目: | [主要評価項目] RECIST Ver.1.1又はRANOに基づく独立評価判定による奏効率 [副次評価項目] RECIST Ver.1.1又はRANOに基づく治験責任医師判定による奏効率、奏効期間、病勢コントロール率、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS) など [安全性の評価項目]有害事象、臨床検査 など |
判定基準: | 画像検査はスクリーニング時、サイクル12までの偶数サイクル終了時及びサイクル13以降は3サイクルごとに標準的な画像検査(CT、MRI、CT/PET等)を実施し、治験責任医師の判断により追加の腫瘍評価を実施した(中枢神経系原発腫瘍を有する場合、サイクル1~4はそれぞれの終了時、サイクル12までの偶数サイクル終了時及びサイクル13以降は3サイクルごと)。腫瘍縮小効果は最初の奏効から28日以降に行われた画像検査により確定した。 |
解析計画: | 事前に規定した中間解析の結果に基づき、無効中止、有効中止、安全性中止を試験全体及びコホートごとに評価することとした。 |
CLIA:Clinical Laboratory Improvement Amendments RANO:Response Assessment in Neuro-Oncology
目的:
12歳以上のNTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌患者を対象に、ヴァイトラックビの有効性及び安全性を評価する。
試験デザイン:
多施設共同、非盲検、非対照、第Ⅱ相試験(バスケット試験)
対象:
12歳以上のNTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌患者116例
投与方法:
1サイクル28日間としてヴァイトラックビ100mg(カプセル剤又は液剤)を1日2回経口投与し、病勢進行、許容できない毒性の発現、患者による同意撤回又は死亡するまで投与を継続した。
評価項目:
[主要評価項目] RECIST Ver.1.1又はRANOに基づく独立評価判定による奏効率[副次評価項目] RECIST Ver.1.1又はRANOに基づく治験責任医師判定による奏効率、奏効期間、病勢コントロール率、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS) など[安全性の評価項目]有害事象、臨床検査 など
判定基準:
画像検査はスクリーニング時、サイクル12までの偶数サイクル終了時及びサイクル13以降は3サイクルごとに標準的な画像検査(CT、MRI、CT/PET等)を実施し、治験責任医師の判断により追加の腫瘍評価を実施した(中枢神経系原発腫瘍を有する場合、サイクル1~ 4はそれぞれの終了時、サイクル12までの偶数サイクル終了時及びサイクル13以降は3サイクルごと)。腫瘍縮小効果は最初の奏効から28日以降に行われた画像検査により確定した。
解析計画:
主要評価項目である奏効率は、点推定値及びClopper-Pearson法を用いて信頼区間(CI)を算出した。
副次評価項目である奏効期間、PFS及びOSは、Greenwoodの公式を用いて算出した中央値の両側95%CIとともに、Kaplan-Meier法を用いて記述的に要約した。また、コホート別(癌腫別)、融合遺伝子別の解析が事前に計画されていた。
CLIA:Clinical Laboratory Improvement Amendments RANO:Response Assessment in Neuro Oncology
NAVIGATE試験の患者背景
患者背景
- 解析対象となった116例の患者背景は、以下のとおりです。
- アジア人16例のうち、日本人は3例でした。
本試験の最大の解析集団116例には、承認用量よりも高用量が使用された患者が1例含まれます。
6. 用法及び用量
通常、成人にはラロトレクチニブとして1回100mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
通常、小児にはラロトレクチニブとして1回100mg/m2(体表面積)を1日2回経口投与する。ただし、1回100mgを超えないこと。なお、患者の状態により適宜減量する。
バイエル薬品社内資料[NTRK融合遺伝子陽性の固形腫瘍患者を対象とした第II相試験(試験20289、NAVIGATE試験)](承認時評価資料)